2014.12.01

おししいお茶の淹れ方

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「お茶を飲むと気持が落ち着くね」よく耳にする言葉です。
まさに日常茶飯事、身近なリラクゼーションとして長年日本人はお茶と上手に付き合ってきました。緑茶が昔から贈答品として愛される理由もそこ。身も心も浄化してくれる、それが何よりありがたい。でも、せっかくだったらもっと美味しいお茶を淹れてみたい。「お茶を入れる」その所作のひとつにだって、きっと心にゆとりを与えてくれる癒しの効果があるはずです。「お茶は淹れる人の心のままに出る」と、むかしのひとは言います。たとえば「お茶を淹れてあげる」なんて、まさしく愛情を注ぐ行為そのもの。大切な時間を過ごすそんな時、選んで頂きたい“素敵なお供”がここにあります。

「急須」は緩急自在がいい
お茶を淹れるとき、「急須」から出る<最後の一滴>にお茶特有の<旨味>が凝縮されていると言われています。それをみすみす逃がす手はないですよね。そもそも「急須」は、お湯を入れた後の「茶葉」にゆったりと落ち着いて開いてもらう空間なのです。茶漉しはできれば注ぎ口の根元にしっかり納まっていて、なるべくその空間の邪魔にならない方がよい。それでいて目が細く目づまりしない。茶漉しはまさに陰の職人さんのようです。<最後の一滴>まで注ぎきってもらうためには、傾けた時に蓋からお茶が漏れない身の締まり、尻もちしない切れのよい注ぎ口も大事。東屋は、そういった身なりのよさに加え、手に馴染んで持ちやすく、品の良い形にも目を配りました。シマリのない代用ではせっかくの「茶葉」がかわいそう。身も蓋もありません。中身はゆったりと、外身はしっかりと。「よい急須」は、愛情も傾けてくれるものなのです

「鉄瓶」で湯を沸かす
美味しいお茶を入れて、お茶の時間を最高に心地よいものにする。
その為にまず、おいしい水を用意するのは必須ですよね。が、ちょっとここで一思案。 目の前にあるのは水道水。近くの名水を注ぎにゆくにも車で小一時間かかるかもしれないし、わざわざお店に買いに行くのもちょっと手間です。そこで、こんな道具をご紹介します。名水に負けない、お店で買うよりもお茶にぴったりのお湯が、身近な水からつくれるかもしれません。それが東屋の「水沢姥口鉄瓶」です。
現代の人には「鉄瓶」はあまり馴染みのないものかもしれません。スイッチひとつですぐにお湯が沸く現代に、「鉄瓶」は時代遅れなものだと思う人も少なくないでしょう。しかし、これを機に「鉄瓶」の良さを再認識して頂きたい。この「鉄瓶」は約900年の歴史を誇る南部鉄器で、今なお職人の手によってその技術には磨きがかけられています。水道水を普通のヤカンで湧かすと、カルキ臭さは飛びます。しかし「鉄瓶」で沸かしたお湯は、それに加えて更に、まろやかにおいしくなると言われています。それは鉄肌と水が触れ、表面から溶け出す鉄イオンが含まれるため。また、鉄イオンは体内への吸収率が高く、日常的に摂取することで自然に鉄分を補うことができることからも、鉄の不足しがちな現代人に、是非とも取り入れて頂きたい一品。東屋の「鉄瓶」は通常のものに比べ、底が広く全体に平たいデザインになっており、熱を効率よく行き渡らせます。使うほどにツヤが増した「鉄瓶」で湧かした湯は、一層お茶の香りを引き立たせます。

「湯冷し」に満たす
お茶を「湯呑み」に注ぐたび、濃い薄いが気になることがありません?「急須」と言えども急ぐことなかれ。程よく愛情を傾けるには、そこに一手間「湯冷まし」という茶器の存在を知っていただきたい。お茶を美味しく淹れるには、お湯の温度を下げるのがポイント。そこで活躍するのが「湯冷し」です。まず「湯呑み」にお湯をついでお湯の量を量ります。次に「湯呑み」から「急須」にうつし、そして「急須」から「湯冷し」へ。こうすれば簡単にお湯の温度を下げることができます。そしてお茶を注ぐ時「急須」から直接「湯呑み」に注ぐより、まずは「湯冷し」に満たす。その一手間こそ、お茶がますますおいしくなってゆく貴重な時間なのです。淹れる人のちょっとしたゆとりが、ちゃーんとお茶にも伝わるのです。お茶の味は、「急須」から出し始めて<最後の一滴>を迎えるまでにも刻々と変化しつづけています。これをまずはひとまとめにして<旨味>を均等にしてあげる。
あとはゆっくりと「湯冷し」を傾け「湯呑み」に注ぎ分けてあげてください。「急須」を何度も揺らしながら複数の「湯呑み」に注いでしまうと、「茶葉」のふくらみを壊して<旨味>を逃がしてしまう原因にもなります。「湯冷し」から「急須」、「急須」から「湯冷し」へ。お茶をおいしく淹れる秘訣です。

「茶葉」はなかなか言葉にできない
遅ればせながら肝心の「茶葉」の話。いかにも茶話が過ぎたようで。だけど待ってください?こと「茶葉」のことになると、奥深さ故そう簡単にはもの申せない。あえて口にできるとすれば、そうですねえ、「茶葉は生ものです!」そもそもが葉っぱを蒸してかるーく火を入れただけなので、何より酸化が大の苦手。一度開封すると酸化が進みますので、おいしさの目安としては開封後からおよそお2週間とお考えください。そして、今回ここでお薦めしたいのは、煎茶『薩摩』です。鹿児島で収穫されすぐに蒸された荒茶を、本場静岡で丹念に火入れした「茶葉」。煎茶といえば昨今ブランドが多いなかにあって、『薩摩』と名付けたそのわけは、単味で製茶した、自信のあらわれなのです。気軽に飲むにはうってつけ。甘すぎず程よい渋みのお茶。と、評判をいただいてはおりますが、何はともあれ、言葉より先に「茶葉」をさっそく楽しんで頂きたいと思います。 

「茶葉」だけでなく、逸品の「茶器」達もそえて。大切な方に安らぎと、そして驚きの時間を送っていただきたい。そう考えて、ref.がお薦めします。

茶器一式