- about -
VUJADE(ヴジャデ)
2018年にKen Iijimaが設立した日本のファッションレーベル。ラグジュアリーとストリートウェアの融合を基軸とし、日本的要素を取り入れたデザインが特徴。すべてのアイテムを日本製にこだわり、品質を追求している。
ブランド名はフランス語の “déjà vu” に由来し、過去に何度も経験しているはずなのに、まるで全く新しいもののように新鮮に感じる感覚を指しています。
また、それは馴染みのあるものを新しい視点で捉え意識することで、日常的なものが驚きや新たな可能性を秘めていることを発見する瞬間でもあります。
Vuja déの日本の伝統と西洋の要素を併せ持つデザインの核は、洗練されたミニマリズムの追求です。
「上質な素材」「ミニマリズム」「着やすさと汎用性」「タイムレスな美学」「サステナビリティ」という5つの理念を軸に、控えめでありながらも時代に左右されない普遍的な美しさを体現しています。
VUJADE 25AW collection
Grisaille, The View of Colour.
【こんなに速く動いていたら、色はどう見える?】
それはぼやけたまま時空にとどまる痕跡のよう。石も、木々も、人の顔も、すべてが冷たい色と温かい色の層でできている。けれどそこに混乱も衝突も対比すらない。かつて輝いていた黄金色も、ほの暗い光のもとでは柔らかなベージュに見える。
【しかし、この世界の本質は目に映るものだけではない。その中心にいなければ、どうやって何かを感じることができる?あなたのその手段は何?】
触れればゆっくりと温もりが広がり、静けさの中に安らぎが芽生える。沈黙の中でかすかな音が響く。それは言葉ではなく心の奥にいつまでも残るもの。鮮やかな色はそこにはないけれど、すべてが調和し見えない美しさが感じられる。それでもすべてはその中で動き続ける。香り、音、手触り——五感が、この世界にいることを教えてくれる。
【では、この世界でどのように創造する?】
ゆっくりと。
私たちのAutumn-Winter 25 コレクション "Grisaille, The View of Colour" は、途切れた過去へと目を向けるもの。
このコレクションは、かつてそこにあった願いを再び灯すことをテーマにしている。一度は止まった流れ——それは失われたわけではなく、忘れられた絵画の色彩のようにただ静かに佇んでいたもの。"Grisaille" は、かつて見過ごされたものの中にある美しさとたくましさを映し出している。
光と影の交錯。
くすんだ色調が、失われた時間の憂いとこれから訪れる希望の両方を映し出す。
生地には記憶の質感を宿す——奥行きのあるウールの織り、しなやかなレザー、流れるようなコットン。それぞれが時間の重みと変化を纏い、選ばれた。
シルエットは過去の優雅さと現代の革新を結びつける。端正なラインと構築的なフォルムがかつての一瞬を呼び覚ます一方で、さりげなく加えられた解体的アプローチや建築的ディテールが止まっていたものが新たな形へと進化したことを物語る。"Grisaille" のすべてのアイテムは時間に左右されることのない創造の継続性を祝福するもの。
デザインの着想源は、抽象表現主義、アール・デコ、バロック、キアロスクーロ、そしてグリザイユ技法。
一見するとシンプルな佇まいの中に構造的な要素を忍ばせ、身にまとうことで生まれる独自の存在感と意識をもたらしている。ほとんどのアイテムにオーダーメイドのテーラリング技法を用い、内側から丁寧に仕立てることで時を超えてなおその品質が輝き続けることを目指した。
参考:
ヨハネス・フェルメール 《デルフトの眺望》 (c.1659-1661)
サイ・トゥオンブリー
ジャン・デュナン
リジア・パペ 《Tecelar Weaving》(1957)
グリザイユ技法、グリザイユ・エナメル