“ダッチオーブンの森”。
名前を聞いただけでなんだかワクワクしてくる。いったいどんな森なんだろう・・・ドキドキしながら広島県三次市へ車を走らせる。ついた場所は平田観光農園。ぶどう、桃、プラム、りんご、なし、いちご・・・なんと150品目の果物を楽しむことができる大きな農園だ。
中央にあるログハウス裏手に広い駐車場があり、そこの一角にあるダッチオーブンの森の看板をくぐると、森が出現。キラキラと木漏れ日が差し込み、風が吹くと、カサカサと木々が触れ合う音がする。鳥の鳴き声は空間に反響し、街中では聞いたこともないような音色。うだるような暑さがウソのような心地よい気温。おいしい料理とワイン片手に本でも読みながら朝から日が暮れるまで一日ゆったりと過ごしてみたい、そんな空間だ。
このダッチオーブンの森では、事前に食材を用意してもらい手ぶらで参加できるコースと材料持参でダッチオーブンのみレンタルできるコースがある。今回は手ぶらでOKなローストポーク作りに挑戦した。写真だけ見ると、料理もおしゃれに・・・といきそうだが、そこはさすがに森の中。まずは薪割りからスタート。
火を起こすために薪を小さく割っていく必要がある。あたりまえだが、普段はスイッチひとつで完了することが、火加減の調節までひとつひとつが手作業。薪を割って、火をつけて、こんなシンプルな作業が意外と楽しくて、思わず集中してしまう。なんだか森の一員になったような気さえしてくるから不思議だ。
火が大きくなったら、ダッチオーブンをかけ、オリーブオイルを入れて大きな幻霜ポークをジュージューと焼き、大きく切った地元産の野菜を鍋に入れて蓋を閉める。その上に炭をのせたら、あとはコトコト、焼き上がるのを待つだけだ。例えばバーベキューなら、焼きながら食べて、食べながら焼いて、となる。会話を楽しんだり、お酒を飲んだりしながらゆっくり時間をかけて、つくっていく過程も楽しめるのはダッチオーブンならではの魅力だ。最後に三次ワインを入れて下味をつけたら、さぁいよいよ、肉と野菜の旨味がたっぷり! ローストポークの完成。せっかくならばと、森のテーブルにクロスをかけて、お気に入りの食器やカトラリー、ワインクーラーを持ち込んでセッティング。アウトドアというより、大人の森のパーティーのはじまりはじまり。
大勢でわいわい系の、THE アウトドアも楽しいけれど、そこに日常のエッセンスを少し加えて、自分のスタイルにアレンジしてみる。たったそれだけで、気持ちのいい自然の空間が、さらに素敵に。たまにはしっとり、大人のレジャーを楽しんでみてはいかがだろう。
平田観光農園
果物狩りはもちろん、ダッチオーブン体験、炭火バーベキューや フルーツピザ作り教室などさまざまな楽しみ方ができる。
広島県三次市上田町1740-3
tel.0824-69+2346 営業時間/10:00〜17:00[年中無休]
http://www.marumero.com/
今回体験したコース/1セット(1人前)1,800円(2名様以上・完全予約制)
園内のどこでも好きなところでお菓子とコーヒーが楽しめる「お出カフェ」もオススメ。 東京で活躍されているロースター甲斐一江さんの豆を使用。フルーツ狩りやダッチオーブンの合間に火を起こして、いれたてが飲める なんとも贅沢なアウトドアカフェタイム。
お出カフェ/お一人様880円