ナカモトさん、こんにちは。お手紙を頂いたようで嬉しいです。
さて、それでは、返信しないとですね。
ナカモトさんともなんだか長い付き合いになってきましたね。僕たちとしては、すごく信頼できるパートナーと思っています。これからも、よろしくお願いします。
>DIGAWELのシャツが世で騒がれ始めた頃お店に立ち寄った時、私にはシャツより財布の方が強く自分に呼びかけたのを覚えています。育てがいがあると直感しました。
その時に買ったLパースを未だに使っていて、中身をパンパンに入れるものですから、とうとう財布が悲鳴を上げて糸がほつれてしまいました。赤い糸でお茶目に修理しました。もう買換える気もなく、直しながら一生これで行こうと思っています。財布に関しては、人生これで完結したと思っています。こんな財布を西村さんがどんなコンセプトで作り始めたのかお聞きしたいです。
コンセプトかー。洋服もそうなんだけど、自分が使いたいものしかつくらないというのが大前提にあって、そこでうまれた財布。もちろん丁寧にディテールを積み重ねてつくってるけど、一つ一つ解説はしません。お客さまが感じてくれたものが全てです。
>レザーポーチは確か1シーズンのみで展示会に出ていたのですが、私がこんなかゆい所に手が届く商品はいつお店に行ってもある商品でなければ駄目だと言って、1シーズンおいてから定番化してもらったのを覚えています。こちらの商品についてもコメントください。
レザーポーチに関しては、確か、ペンケースのつもりでつくりました。僕はデザインが先で素材は後ということが多いんだけど、これもそれで、いい本シュリンクの革と出会えたと思います。
どうしても革って先入観で、味がでるもの、経年変化が楽しめるもの(いわゆるタンニンなめしですね)、っていうのが良い革って思われてますけど、決してそんなことはなくてデザインによってタンニンだろうがクロームだろうが選択していくのが理想だと思っています。
>以前リリースされていたレザーのウォレットコードをref.のために用意していただきました。このアイテムには僕もすごく思い入れがあり大好きな商品でした。今までにこんな細部まで繊細なレザーウォレットコードを見た事がなかったですから。 今回は少し仕様変更もされています。こちらについてもコメントいただけますか?
この新しいウォレットコードは、ref.さんの為にデザインしました。前回のもののブラッシュアップという側面もあるんだけど、全く新しいデザインとしてつくりました。デザイン出しだけで、何ヶ月もかかりました。
ただ、同じ人がデザインしてるのでほとんど一緒に見えますね、笑。
実は全然違うものです。
ぼくはマッチョなウォレットコードって好きじゃなくて、しかも、いつも欲しい訳じゃなくて、笑。財布をなくしたタイミングとかで、つくろうと考えてます(よく落とす)。革の結い方、太さや、金具など全て新しくつくっています。装着したときにいかに美しくみえるか、というのを焦点に考えました。同時にバッグのなかで使うことも想定しています。
ぼくは基本的には別注みたいなものはあまりやりません。
制限が多かったり、限定されてたりで。
要は、同じコップなんだけど、水が飲みたいのにオレンジジュースをつがれた気分になるんです。何をどのタイミングで飲むかは、僕が決めます。 ただ、このref.さんのスペシャルはナカモトさんがぼくのわがまま全てを飲み込んで下さったので実現しました。根気強く辛抱いただいたナカモトさんに感謝します。
おかげで、すごくいいものができたと思っています。
それでは。
ロックンロール!!
DIGAWEL 西村浩平
■記事はref.とDIGAWEL西村さんとのメールをそのまま掲載しています。